純白な部屋で
浅い呼吸を合わせて幸せを定義した
二人で過ごせる時間は
後如何位になって了ったんだろうね
指折り數える
掌上が見える毎、困しくなって了う
数十、数年後に逢える日を待つ
告解室 花瓶が揺れる
「此儘、凡てを失ったとて、
消えることのないものがあるの。知ってる?」
心電圖モニター 透けたビニヰルカーテン
ステンドグラスの光
永遠を賭して エトワールへと飛んで征く
夜鷹みたいな夢を見ていた
悲しいことさえ残らないような逃避行を
其でも厭わないと憶う
洋袴の蕾丝花边が夕凪に融ける
車椅子を押して進む
ぎこちない身體を軋ませて觸れる
苦しみの先、光暈の奥へ
鐵道切符は持った
滲む手を握って?
四半世紀向こうの、遠い国へと
三番綫、夜窓を切って
環狀綫、貴方を待って
さア、僕に御別れの挨拶を如何か、現在
震えた手で、祈り續けている
数十、数年後に逢える日を待つ
告解室 僕らが睡る
「もう一度貴方に逢えたとしたら、
また、迷惑を掛けても好いかな。」
口約束をしよう